
五色沼の色と謎
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赤沼は五色沼の中でも小さい存在ですが、実は大変特徴的な沼です。標高795m、水深4mで透明度も4m、面積は2300uですが、PHはなんと3.8という強酸性の沼です。(るり沼が4.3で青沼が4.6ですからこれはすごい)。
この沼は涌き水だけでできていますので、るり沼からの水流には入りません。この水流に流れ出しています。ですからみどろ沼のPHが5.8なのに下流の毘沙門沼はPHが5になってしまうのです。
この沼の名前の「赤沼」の由来が周辺の赤いことですが、沼には硫酸イオンと鉄イオンが多く、強酸性のために鉄が変化して赤い水酸化第一鉄となりこれが回りの葦などに付着して赤くなっています。
というような説明にはなっていますが、赤沼はそれだけでの理由ではなく、東側の湿地帯が赤い泥になっています。これはみどろ沼と同様に鉄さびの泥が流れる方向に堆積したものと考えられます。
水の色は緑色ですが、雪があるころは黄緑色です。これが新緑のころから緑が濃くなってきます。夏は青緑になります。その理由は木々の葉が映ることと太陽光の入射角度が大きく関係しています。ですから同じ日でも午前の色と午後の色が微妙に違ってきます。最悪なのは紅葉時期です。水の色を捕えるのがなかなか難しいのです。倒木が目につきますがこの赤沼は注目です。
赤沼は冬でも凍結しません。これは湧き出す水の温度が一定であることが理由と思われます。2013年春には色の変化があり黄緑色ではなく緑色になりましたので今後も注目したいと思います。 |
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