五色沼の色と謎

青 沼

青沼はその名のとおり青い沼です。この沼はひとつではなく、いわば滝壷にあたる青色の濃い沼とその奥に広がる青沼からなっています。この2つの沼の色の違いを見るのが五色沼を歩く上では忘れてならない楽しみのひとつです。
 標高815m、水深5.7m、面積5750u、透明度は看板には「理論的透明度10m」とありました。これは水深より深いことになりますので、理論的という文字が頭についているのです。それだけ透明度が高いということです。PHは4.6です。硫酸イオンが多いので亜硫酸塩が溶けていることになります。

 この沼では大変目立つ事があるのですが、写真でおわかりのとおり夏から秋に訪れますと、周辺に白い花のようなものが見えます。これはカエデなどの枝が風でゆれて葉が沼につかることにより、沼の成分が付着して白くなりま。6月に変色が始まり、夏から秋には白が濃くなります。それだけ強酸性の沼なのです。同じ水質なのに、どうしてるり沼と弁天沼では見られないのでしょうか。多分その理由は青沼のように枝の垂れ下がる木がないか見えないためと思われます。(2005年になってからるり沼でこの白い枝を見つけました)

 青沼にはるり沼と同様にウカミカマゴケが広がって生息しています。それはひとめでわかります。黄色がかったものが沼の中に模様のように見えます。これは南側に特によく広がって見えますが、水深が5.7mしかないのでウカミカマゴケが水面近くまで上がっているのです。ここ20年のあいだに形に変化が見られますので成長しているものと思われます。2006年には沼全体に広がる様子を確認しました。 

 この青沼はこの30年でだいぶ遊歩道側の潅木が成長しましたので以前のようにはカメラを構えられるポイントが無くなっています。唯一西側からは広く見えますので安心ですが、南側にはほとんど無いといえます。雪の多い時にはなんとか見えますのでそれが救いとなっています。
 
 なおこの沼は冬に凍結しますが、沼の半分は凍結しないで残っています。水温というよりはウカミカマゴケが多いところが浅くなっていて凍結しているというのが正しいでしょう。

 2021年春に遊歩道側の立木の剪定が行われましたので、沼がよく見えるようになりました。




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