五色沼の色と謎

るり沼(瑠璃沼)

 このるり沼ほど謎に包まれた沼はないでしょう。1980年代にNHKのカメラが入って、中のウカミカマゴケを撮影しましたので中の様子はわかりましたが、あの時点でも中の珪酸アルミニウムはとらえていませんでしたが、2017年のNHKBSテレビ放送で白い珪酸アルミニウムが撮影されました。この沼の色珪酸アルミニウムとウカミカマゴケのじゅうたんが大きい役割を持っていることになります。また目で見えるのは沼の3分の1ほどで、あとは南に広がっていますから、それが見られないのが非常に残念です。
 標高825m、水深9.0m、面積18100u、PH4.3で理論的透明度が21mです。この透明度21mという数字がいかにすごいものかは、あの有名な摩周湖の透明度が20m前後(ここ3年は18〜23m)ということを考えるといかにるり沼がきれいであるかがわかるというものです。
 
 さてこの沼には地下の水脈から強酸性の水が涌き出ていることは知られています。これは磐梯山中腹の銅沼(あかぬま)の水や別の地下水脈、温泉などが混ざって流れているようです。またどうしてウカミカマゴケという強酸性の水に強い原始的なコケが大量に繁殖したのかが謎といえます。しかも全国的にこれだけの群生がみられるのはるり沼だけですから、貴重です。このコケが流れて青沼に繁殖したものと考えられますが、100年後には青沼るり沼ようになってるかも知れません。

 るり沼の色は冬は青く春は濃い緑色ですが、色彩の変化は顕著です。1990年代は青緑に見えましたが。21世紀になってウカミカマゴケの繁殖が目立つようになりました。20世紀に見えたウカミカマゴケのだんだん畑は21世紀には見えなくなっています。
 
 なおこのるり沼は冬でも凍結はしません。地下水が湧いているため水温が下がりにくいと考えられます。

 2017年春に展望台ができましたので、風がなければ逆さ磐梯が見られるようになりました。




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